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■仔豚（こぶた）の丸焼きレシピ
　　〜手順、ムラのない焼き方から食べやすいカット教えます〜

　仔豚の丸焼きをやりたい！と思っても焼き方や手順の紹介はウェブでもあまり見つからない。仔豚の丸焼き2回目で分かった、程よい参加人数、丸焼き用仔豚の注文、販売店の探し方、ムラなく焼き上げる丸焼きのコツを写真と共にしよう。

　七輪の上に仔豚をのせるわけではないが、程よい火力をキープして安定した火床を作り続けるには七輪こそベストだ。珪藻土の七輪を使い、固く火付きは良くないが長時間の高火力を保つ備長炭を熾す。

　丸焼きバーベキューへの参加は初めて！の人達が集まり、テンション高めの楽しいBBQになること間違いなし。

■�@仔豚の丸焼きレシピ　調理の手順■

　仔豚の丸焼きバーベキューを開催するには段取りが重要だ。

1. 天気の安定した季節を選ぶ。
2. 人数を集める。
3. 天気を見て3日前に注文を確定する。
4. 前日までにその他の材料や道具を揃える。
5. 当日焼き上がりまでに7〜8時間かかるので、明け方から焼き始めてお昼焼き上がりを目指す。

■�A仔豚の丸焼きレシピ　調理の手順■

　焼き台は一般売りしていないので、手作りが基本だ。ホームセンター調達材料で作る簡易焼き台なら予算1万円以内で充分だ。高さや焼く角度の微調整ができない分、火力の調整は忙しくなる。

　近所の金工作家が作り上げた名品、メタルグリラームラムラ。豚や羊の丸焼き専門焼き架台。こいつにかかれば手軽に、上手に丸焼きを仕上げることができる。

　丸焼き台に求められる便利機能は以下の通り。

• 丈夫な網で底上げされていて、空気の流れが良く、炭の置き方で火力を調整しやすい。
• 20キロの仔豚を確実に支える芯棒、回しながら焼いても豚本体が回転しない止め具。
• 回しながら加熱するときに好みの角度で止めることができる。
• 焼く高さを容易に焼きながらでも調整できる。
• かっこいい。

メタルグリラームラムラ、レンタル可能。
借りたい!と思ったら画像のメールまで。

前日までに組み上げて、ブルーシートで保護。軽トラで移動。

夜明け前には焼き始めないと昼に間に合わないのだ。

■�B仔豚の丸焼きレシピ　仔豚の調達と解凍方法■

　焼き台が確保できたら、仔豚の調達先を決める。ネット販売しているので参加人数に合わせて大きさを選んで注文する。お店で焼いて販売しているところから注文する方が美味しい仔豚を販売しているようだ。

　生仔豚20キロから取れる肉の量は、焼き上がりで脂が落ちて15キロ、骨の分を抜いて歩留まり12キロ。たっぷり焼き豚を楽しむには最低でも一人300グラムを目安にしたいので、最大40人のBBQとなる。

　冷凍で届く。放っておいても厚みのある腿や尻の芯まで解凍するには丸一日かかる。表面温度が高くならないように、涼しい場所で届いた箱のまま布やシュラフで包んで一晩おく。 翌朝になっても充分に冷たい。暑い時期なら保冷剤を添える。

　当日。焼き上げる時までに極力常温に近づけたい。海の近いウチでは早起きして暗いうちから紐でくくって浮きをつけて海で泳がせる。程よい塩味がつき、血が洗えて小一時間で最後の解凍ができる。朝6時から焼くなら、4時半に海水につけて解凍、5時半から焼き台にセット。

　大きな袋で密封して水が入らないようにし、大型クーラーやお風呂で解凍する方法もあるが、相当手間がかかる。 海が無ければ、大袋に直接海水程度の塩水を作り、裸の仔豚を放り込むのが手っ取り早い。

　解凍完了の目安は腿の内側。内臓の抜いてある腹側から手を入れて、腿からお尻の内側を触ってみる。冷たくなく柔らかく解凍できていれば充分だ。

澄んだ9月の海水で気持ちよさそうに漂う仔豚

■�C仔豚の丸焼きレシピ　炭と七輪■

　解凍準備が出来たら焼き台を作り、焼き場所を決める。素早く七輪を使って炭を熾す。途中で何度も炭を継ぎ足す。豚の丸焼きにはこの炭をすすめたい。

　 紀州産備長炭　特選カシ　：火持ちが良く安定した高加熱。

　岩手切炭　堅一級　　　　　 ：火付きが良く、爆ぜず、火持ちも良く香りが良い。

　七輪で切り炭から熾して、火が安定してきたら備長炭をのせる。固い備長炭が真っ赤に焼けるまでにも30〜40分は余裕をみておく。筒型の丸七輪で火を熾し、火力の安定した炭を大型の角七輪に移す。炭を追加して豚の丸焼きに必要な大量の炭を準備する。

■�D仔豚の丸焼きレシピ　仔豚のセット、焼き始めよう■

　解凍した豚を焼き架台にセットする。注意点は

• 焼きあがるにつれて皮が引っ張られるので、手足はしっかりと針金で関節部を縛り付ける。
• 芯棒を回しても豚が回転しないように固定する。
• 耳や手足の先、尻尾など先に焦げてしまいそうな火に近くなる出っ張り部分はアルミホイルで覆っておく。
• 下味は付けなくても仔豚は旨い。何もつけずに食べて仔豚そのものの旨さを味わい、その後にそれぞれ持ち寄った好みの調味料を自慢しあいながら色々楽しむことをおすすめする。

　十分に熾きた炭を仔豚の真下に並べる。内臓の抜いてある腹部は焼けやすいが、厚みのあるお尻と頭には多目の炭を配置する。

　炭の少なくなった七輪には常に炭を補充する。豚と同じ面積になるまで炭を熾して、焼き台に移す。ここまでの段取りをいかに効率よくできるかどうかで焼き上がりの時間が変ってくるのだ。

　肉が温まるにつれて仔豚がふっくらしてくる。ここまで一時間弱。炭から30-40cm程度の近さでこまめに仔豚を回しながら焼くのも焼き時間を短縮する一手。表面がこんがりと焼けてきた。中がまだ生なので皮の切れ目や目の周りから赤い肉汁が流れ出る。顔回りを中心に丁寧にふき取った方がキレイに仕上がる。

　焼き台の炭は時々かき混ぜたり移動して、炭を覆う灰を取り除き高温を保つことも重要だ。

　ここまで焼けたらあとはじっくり回し続けるだけ。集まってきた参加者とともにぐるぐる、ぐるぐる仔豚を回そう！ひたすらぐるぐる、ぐるぐる。

　焼きあがる1時間前に生ビールサーバー解禁、持ち寄りのオツマミをつまみながら喉を潤す。気温がぐんぐん上がる秋の一日。声高らかに乾杯！

　焼き上がりまであと30分ほど。アルミホイルを全て取り除く。頭と尻への加熱を強くするため、五徳に焼き網をのせて炭をのせる。炭までの距離を局部的に近くして最後の仕上げ。背中や腕、足回りの皮が引っ張られて切れてしまうのはご愛嬌。脂が溶け出して流れ出るので、炎が上がらないように注意しよう。

　朝から7時間焼き上げたこんがりふっくら仔豚さん！

　仔豚をカットするためのアウトドアテーブルにアルミホイルをたっぷりめに巻きつけておく。焼き台から芯棒を外して男二人で担ぐ。火傷に注意。

■�E仔豚の丸焼きレシピ　仔豚のカット、切り方■

1. 厚みのある背皮は余計な脂肪が抜けてさくさくとうまい。まずは皮を程よい大きさにカットして小さく切り分ける。
2. 骨と身の間に沿うように刃を入れながら肉を切り剥がす。一口大に切り分けて皮と一緒に食べよう。
3. 首から尻までの上部から身を剥がし終えたら、今度は首、腕、足を切り離す。骨と骨の継ぎ目を探して出刃の刃先を入れるとすぐに外れる。腕や腿はそのまま持って大胆にかぶりつく。
4. 背骨脇に刃を入れながらあばら骨を外す。スペアリブの部位だ。まとめて切り取ったら骨に合わせてカット。
5. 頭は舌を切り取って豚タンをこりこり食感を楽しむ。耳は固いのでスープへ。頭のてっぺんの皮を切り取って骨の継ぎ目を探し、刃先を入れると頭骨を割ることができる。脳味噌は白子のようにとても濃厚でとろりと柔らかい。大きな体の割には小さかった？

主役級の香ばしい豚皮に切れ目を入れる。

あばら骨を背骨から切り離す。

頭も全て美味しく食べられる。

　ダッチオーブンに残った骨や皮、肉を入れて玉ネギと一緒に煮込む。30分煮込んでとろりとしたスープが出来上がったらカレールウを入れてとろみ豚スープカレーの出来上がり。仕上げに刻んだピーマンを入れるとコクに切れがでて旨い。

残った骨回りの肉、固い皮は煮込んでコラーゲンスープ。

　ちょっと勇気のいる丸焼きバーベキュー。でもね、豚の全ての部位を自分で確認しながら食べられる機会はめったにない。大人も子供も一度は是非体験して頂きたい、とってもとっても美味しい炭焼き料理。

　心からご馳走様でした。